ベトナム保健省・薬科大学と「薬剤師国家試験ワークショップ」を開催しました

ベトナムの薬学共用試験、薬剤師国家試験創設を薬ゼミが支援!

薬学ゼミナール関連企業の株式会社薬ゼミ情報教育センターは、2020年7月よりベトナムへ向けた国際支援として「ベトナムの薬科大学における卒業試験評価制度の確立 及び eラーニングを活用した薬剤師の継続教育」に関するプロジェクト※1を行っています。

2020年11月4日(水)日本時間16時から3時間半にわたり、ベトナム保健省、ハノイ薬科大学およびホーチミン医科薬科大学の教職員を対象に、日本の薬剤師国家試験制度などを紹介するオンラインワークショップを開催しました。

コロナウイルス感染拡大の影響でベトナムへの渡航が叶わない中、当日司会進行を務めた薬ゼミ情報教育センター国際事業部の鈴木良風(元薬学ゼミナール講師)や巻嶋孝明(元JICA海外協力隊隊員の薬剤師)を中心に、現地プロジェクトスタッフと連絡・調整を幾度も重ねて実現できたワークショップ。

総勢63名のベトナム参加者全員から大満足の声をいただき、盛況にて無事終了しました。

ベトナム集合写真

現在ベトナムには、薬学共用試験(日本におけるCBT・OSCE)や薬剤師国家試験がありません。
各大学が定めたカリキュラムを履修し、単位を取得して大学を卒業することで、医療現場での薬剤師業務が可能となります。

ベトナム保健省は薬剤師の知識レベルや技能レベルを一定以上に向上するため、教育および各種試験制度を新たに確立しようとしています。
詳しくは「薬ゼミ国際事業への思い(取り組み)」をご覧ください。

ベトナムプロジェクト

日本の経験と実践から「薬学教育および薬剤師国家試験」を学ぶワークショップ

タイトル
「HỘI THẢO VỀ Kỳ thi cấp chứng chỉ hành nghề quốc gia cho dược sĩ:Kinh nghiệm và thực tiễn từ Nhật Bản(薬剤師向けの免許証交付国家試験に関するワークショップ:日本からの経験と実践)」

目的
ベトナムの薬剤師国家試験を創設するために現在行っているプロジェクト内において「国家試験パイロット」の実施を想定していることから、検討をよりスムーズに進めるべく「日本の同国家試験制度等について共通認識を持ってもらい、日本式モデルの導入をご検討いただく」こと

実施方法
Zoomを使用(日本の会場は、薬学ゼミナール渋谷教室)
日越通訳を含む

参加者(ベトナム総勢63名)
・ベトナム保健省 科学技術訓練局 教育管理部
・ハノイ薬科大学
・ホーチミン医科薬科大学
・薬学ゼミナール 学長(木暮)、薬ゼミ事業部事業部長(高田)、薬ゼミ教務部長(下野)
・薬ゼミ情報教育センター 国際事業部長(松野)、鈴木、巻嶋
・ベトナム現地プロジェクトスタッフ ザン、カイン、ミン、ロアン、リン

内容
・日本の薬学教育と薬剤師国家試験
・日本の薬学共用試験
・薬剤師をとりまく法律と任務

ベトナムワークショップ 高田事業部長

「コアカリと薬剤師国家試験」など、質疑応答タイムを超える質問の数々

当初予定していた休憩時間(15分間)を「10分に短縮して構わない」とベトナム参加者から申し出があるほど熱心に聴講いただいた、充実のワークショップ。

薬ゼミからのプレゼンテーションの後に設けていた30分間の質疑応答タイムを大幅に超過してもまだ続くほどに、多くの質問が寄せられました。

「ベトナムのコアカリキュラムは保健省(日本でいう厚生労働省)ではなく教育訓練省(同 文部科学省)が作成している。日本ではどうか?」「日本の各大学には必ず卒業試験があるのか?」「学生が多い場合、OSCEはどうやって実現したら良いか?」などの具体的な質問が次々と寄せられ、薬ゼミが日本の事情を回答しました。

ベトナムワークショップ 質疑応答

制限時間内に終わらなかった質疑応答については、アンケートへご記入いただきました。

ワークショップ前日(11/3)、試験制度に関する新たな政令をベトナム政府が公布

ワークショップの講評において、ハノイ薬科大学の学長より「昨日(11/3)ベトナム政府が公布した政令は医療従事者の資格について触れている。ベトナムでも薬剤師国家試験が作られることは確実だ」とのコメントがありました。
ベトナムは医師国家試験創設のための委員会を2020年7月に発足しており、薬剤師国家試験についても同様に委員会が発足するものと期待されています。

国家試験の創設は、ベトナムにとって一大プロジェクトです。
国家試験以前に、各大学のカリキュラム標準化や学力レベルの標準化も必要となります。

薬学ゼミナールは、ベトナムの「薬剤師国家試験制度の導入に向けた支援」を継続して参ります。

ベトナムワークショップ日本集合写真

※1
当プロジェクトは、国立研究開発法人国立国際医療研究センターが主体となって実施する、厚生労働省補助金による「令和2年度 医療技術等国際展開推進事業」の一環です。2020年7月から2021年2月にかけて実施されます。

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